専門家が解説★サステナブルコスメの見極め方<前編>のつづきです

企業サイトや商品パンフレット、企業のサステナビリティレポートなどで見る
ブランドがいかにサステナビリティ・生物多様性などに配慮しているか、原料~生産~販売~廃棄のサイクルにおいて達成しているかなど、ブランドサイトや商品パンプレット、または企業サイトなどで確認できます。また大手だけでなく、企業がサステナビリティレポートというのを出しているものがあります。企業によって、言い方は様々ですが、企業のサステナブル経営について詳細が記載してありますので、是非読み込んでみてください。企業理念やブランド方針などに共感できるものを購入しましょう。
ただ、近年は少しずつ減少傾向にあるものの、まだまだウォッシュがあります。最近は特に、”環境に良い”というだけでもウォッシュと見られがちで(何をもってして環境に良いかがきちんと説明されていればOK)、それを見極めるには、正しい知識を持つことが大事なのですが、読み込んでいて気になると感じたものは企業に問い合わせるなどして、聞くとよいでしょう。
SNS/ハッシュタグなどを参考にする
商品を選ぶ際、また新しい商品を試したいと思うときなど、SNSなどを参考にすることが多いのではないでしょうか。企業が発信するものだけでなく、一般生活者が発信するものでも、サステナブルキーワードで上げられているものが最近目立ってきました。たとえば、プラントベーストやNon-GMO、オーガニック、廃棄物削減、生分解性、アップサイクル/ダウンサイクルなどです。海外で先進的なものといえば、気候変動や生物多様性も目立ってきています。化粧品からするとこれらは遠そうなイメージがありますが、ご自身の指針にあったキーワードから見て、商品やブランドを選ぶということもできます。SNSでは、キーワードからハッシュタグまで検索できますので、気になるサステナブルキーワードを是非チェックしてみて。
雑誌などのサステナブル特集などで見る
数年前から雑誌で「クリーンビューティー」「サステナビリティ特集」などが増えてきて、女性誌やライフスタイル誌などでもよく見られます。雑誌社の目線で第三者的に特集はまとめられていますので、専門性も高く信頼できる情報が多いです。
読み物としてサステナビリティやSDGsについてなど詳しく解説されたあとに、それに関係する商品が掲載されていることが多く、知識を身につけつつ、お気に入りの商品を探せます。雑誌は季節性でも特集が組まれやすいので、季節に合ったケアも選ぶことも可能ですね。
SDGsについてあまり過信しない?!
SDGsはそもそも2030年(一部のターゲットでは2020年や2025年もある)までの開発目標です。今後はどのようなグローバル目標が出てくるかというところですが、意外と2030年というと、もうあと8年くらいです。SDGsはグローバル目標ですので、先進国の日本では当てはまらない、もしくはすでに達成済みというものも多くあります。そこで、ターゲットまで読まずに、目標の日本語訳に惑わされる傾向が強く、また特に今の日本では、SDGsやそのマークなどが独り歩きしている感じがあり、とくにウォッシュが目立っています。一般の認識でもそうですが、「SDGs=環境」と思っている人が多くなっています。もちろんSDGsは環境だけではないのですが、それぞれの目標が相互に関わっているので、その視点でみると見方が変わります。

いわゆる横並びの表示ではなく、このような”ウェディングケーキモデル”というので考えるとそれぞれの目標が相互に関係していることがわかります。
さて、それでは化粧品ではどのようにするかですが、化粧品はほとんどが海外ブランドが流通している日本で、原産国がアピールしているSDGsについては、同じように日本でもうたうことができます。ただ、それらが日本に入ってきた時に、持続可能な方法で運搬や保管がされているか、また使用後きちんと廃棄されているか、を考えなければなりません。
様々な産業からのアップサイクルを活用している
いま日本国内でもアップサイクル原料を採用した化粧品が話題になっています(これについては以前のコラムにてご覧ください)。食品やアパレルなどの産業では、生産・加工時に多くの廃棄物が出ます。化粧品でも生産時に廃棄物が出ますが(特に原料加工時)、廃棄物を資源とした製品づくりは、廃棄物削減に貢献していることになります。規格外の農産物を使う/●●生産時に出る廃棄原料を使うなど、言及しているものがあれば、是非試してみてください。
化粧品のみならず、食品やアパレルなどの商品選定の際にも参考にしていただけます。
是非次回からのコスメ選びの参考にしてください。
執筆協力:美容環境アナリスト 長井美有紀