つい先日ニュースで発表された「グリーンライフ・ポイント」。
販売期限が近い食品を積極的に購入したり簡易包装の商品を選択したりすることで獲得できるポイントをいい、世界ではすでにトレンドとなっている「サステナビリティ」に追いつくため、日本でもプラスチック問題を解決するための施策の一つです。
日本では、プラスチックの生産量が世界第3位(2017年時点)。また、1人当たりの容器包装プラスチックごみの発生量は2018年には世界第2位となっており、プラスチックは非常に身近な存在といえます。メーカーも一般消費者も、プラスチック容器の代替品を望む傾向にあるものの、なかなか難しい場合も多いです。プラスチックをもはや”悪”とする企業や人々も出てくる中、レスやゼロにすることがすべてとは言えません。プラスチック自体は、当時ビンやガラスなどの代替として、大革命的な存在でした。特に化粧品では、パッケージの側面でいえば、容器が軽量化するだけでなく、化粧品としてふさわしい多様性のあるデザインやカラーが表現できるようになりました。また、化粧品の場合では、容器だけでなく、成分についても注目しなければなりません。
このグリーンライフポイントは、環境に配慮するのは価格の面で難しいと感じていた人たちにとって、すでに企業が提携しているポイントシステムを活用することができるため、自分のお気に入りの店で買い物しながらサステナブルな活動をすることにも繋がるという点においては、非常に賛同できる内容です。ただ意識するだけでは継続することが難しく感じられる人にとっても、このようにお得になることで習慣化できるのではないでしょうか。
ただ、この施策は特に環境の重荷になっている食、衣類、循環、住まい、移動の5分野が想定されているので、美容やコスメと関連付けて試みるにはやや難しいかもしれません。優先度が低いとは言え、「嗜好品」である化粧品がそれにとどまった見方をされていることも事実です。ただ、このエコポイントが契機となり、美容分野において環境のことを考えるための「入り口」となり得るでしょう。化粧品でもできることがあります。
業界内でも、生物多様性(=様々な種が多様に存在すること)の観点から、プラスチックについて言及している企業はまだまだ少なく、発信している企業は先進的と言えます。化粧品のプラスチック問題に少しでも貢献するには、生分解性プラスチック(バイオマスプラスチックなど)容器を作用したブランドを選ぶことや、化粧品成分に含まれる高分子ポリマーが配合されている製品を排除するようにする、などがあります。
来年4月から始まるこのグリーンライフポイント制度には、「社会全体、国民一人一人のライフスタイルの行動変容に繋げる」という狙いが込められています。この機会に、ぜひ自分の消費活動を見直し、化粧品のプラスチック問題に関しても、共に考え行動してみましょう。